スロットの醍醐味の一つに、お店がどのように設定を入れてくるかの傾向を掴み狙い台を絞るプロセスがありますが、これはホールの特徴が出やすい部分でもあり、難しい部分ながら面白いなぁと思うこともあります。
最近は大型店が多く、かつての牧歌的な店長との駆け引きみたいなのは減りましたが、それでもたまに遭遇することがあります。というわけで今回は、実際に経験した面白いケースを紹介したいと思います。
とあるジャグラーがアツい日の出来事
ある日、週末にマイジャグラーがアツいホールで打っていました。
僕はこの日、マイジャグラーで当たり台を掴むことに成功し、不安になる前に勝手にペカりまくる高設定台の挙動を堪能していました。
そんな中、僕の隣に座っているのはよくみる常連さんで、
苦しい展開な台を
「これ、どうせ3なんだろうなぁ」
と隣に座っている僕にも聞こえるように愚痴りながらも追加投資を続けています。僕は横目に

くらいに思っていたのですが、しばらくして白服を着たスタッフが通りかかったときに事が起きました。
僕の隣に座っていた常連さんがおもむろに手招きして呼び止めたので

と思っていたら彼は白服を睨みつけ
「おい・・・」
とドスの効いた低い声を出し、後ろのシマを指差します。
「なんだこれ、お前らナメてんのか?あっちのシマばっかり入れやがってアホか?」
と、反対側のシマを指差しながら文句をいいます。
白服はただ

と平謝りするばかりです。しかし彼の怒りは収まらないようで
「テメェ、わかってんのか?」
「ああん?」
と要領を得ない文句を繰り返すばかりです。
そんなに後ろのシマすごいか?
と思って各台のデータをしっかり見ると、別に全台がすごいわけでもありませんし、「あっちのシマにだけ入っていてこっちのシマには入っていない」というのも、僕がすでに「こっちのシマ」で高設定濃厚台を打てているので事実ではありません。
結局、常連さんは同じ台を打ち続け、かなりの追加投資をした末に回収ゼロで撤収しました。
店が激おこ
しかし翌日、事が起こります。
僕は夕方にスマホでデータを見てこの事実を知りました。
昨日の常連さんが文句を言っていた「背後のシマ」が完全にぶっ壊れていたのです。
そこは10台シマなのですが、そのうちの8台が高設定バリバリの数値です。
閉店後のシマトータルの数値はこんな感じでした
- 総ゲーム数86415G
- BIG確率1/242
- REG確率1/246
- 合算確率1/122
- 差枚数28335枚
- 出玉率110.9%
数値が悪い台も2台あったのですが、トータルでみれば全6といわれても驚かない数値です。
僕は、用事が終わった後そのホールへ直行しました。すると、夕方の時点で5000枚オーバーの台が3台あり、他の台もしっかりと箱を使っていて、狭いシマで所狭しと積まれたドル箱は圧巻でした。
余談ですが、僕はドル箱を別積みするよりも頭上に積み上げるスタイルの方が好きです。
店によってはすぐに別積みしたがりますが、別積みなんかするよりもドル箱をうず高く積むことによって、なんとも言えぬ「鉄火場感」が出てイイと思うんですよね。
あの別積みの台を僕はベビーカーって呼んでいるのですが、ベビーカーではいまいち鉄火場感が伝わってこないんですよね。
・・・って3000枚出すことすら稀なオッサンには取らぬ狸の皮算用ってヤツで、別積みをする機会なんてほとんど訪れない訳ですが(T_T)
それはさておき、僕は思わず前日の常連さんと白服社員とのやりとりを思い出し、あれと今日の全6は絶対に関係があると思いました。
おそらく前の日の閉店後の事務所かスタッフ用の休憩所で、






みたいな会話が、白服と店長の間であったのかなと妄想しました。
その結果として予定外の全6シマを作り、この10台だけで28000枚を放出していました。
ついでに一つ、あまり面白くなかったこともありました。
それは、白服にメンチ切った常連が前の日に負けた台もこぜ6挙動を示していて、その台には彼がしっかり座っていたことです。どうせなら、その台はキッチリ設定1に落として、上げ狙いで座りにきたヤツをいたぶって欲しかった・・・
とはいえ、店としても常連を潰すのが目的ではないので、ここは華を持たせてやったということでしょうか。
アドリブの効く店
まあこんなケースは滅多にないことですが、こういうアドリブが効くというか、シャレが通じる店ってなんか面白いですよね。
僕の経験上、こういう突飛なことができるのは中小規模のお店が多い気がします。もちろん、ある程度儲かっていてお金に余裕があることが条件ですが。
その点大手法人はいろいろと堅苦しい部分はあるのかもしれません。店長といえども結局は組織に属する会社員なので、「生意気な常連を教育してやる!」なんて軽いノリで予定外の還元をしたら、それこそ後が大変でしょう。
僕はパチンコ法人の内部事情を知るわけではありませんが、大手になればなるほど、月間の営業計画がガチガチに決まっていたり、本社の意向で新規出店に備えて無慈悲な回収を要求されたりと、店長は自分の裁量で勝手に設定を入れられないかもしれません。
ただ、こういう面白いノリのお店が行動範囲の中にあったら、他のお店とは違った目線で見てみると何か発見があるかもしれません。
意外と客をみている?
もう一つ例を挙げると、このお店は高設定のジャグラーを据え置くことがあります。
それもREG先行の不発台とかではなく、前日に6000枚とか出て「これはさすがに落としてくるだろ・・・」と敬遠したくなる台を敢えて据え置いてくるのです。
ある日、5台並びで高設定(多分6)を入れてきた日があり、僕は幸運にもこの並びの中の一台を打てていたのですが、打ちながら


と思っていました。
そこで翌日も頑張って朝から並び、敢えてボーナス回数も確率も一番良かった台の据え置き狙いをしました。
ただ店も心得たもので、同じような人間にツモらせないために駆け引きを打ってきます。
そのためか、この日の狙いはスカで、まあ傷が浅いうちに逃げられたのでよかったのですが、この話には続きがあります。
その翌日、僕が前日に据え置き狙いをした台がまた「こぜ6挙動」をしていたのです。昨日は低設定に落としたのに、やはりまた戻して来たのか?
おそらく店は


と思ったかもしれません。そして同時に

もしくは

とまで考えて再び設定を入れてきたのかもしれません。
ちなみにこの「高設定→低設定(もしくは稼働ナシ放置)→高設定」というパターンを、僕は勝手に「戻し」と呼んでいるのですが、このパターンが長いこと通用したお店が近くにあったので、もしかするとこの店の設定師もそれを真似てみたのかもしれません。
しかし、これらの思考はすべて、店側の人間と言葉を交わしたわけでもなく、ただ単に僕の心の中で勝手に妄想したことです。
もしかすると、店はホントになにも考えていなくて、適当に設定を決めているのかもしれません。


というのが本音かもしれません。
設定を決めた人と実際に話したわけでもなければ、確定演出もないジャグラーなので、見えてきた数値から当たりとかハズレとかいっているだけにすぎません。
だから、そもそも翌々日に設定が「戻った」とか思っていたデータだって、たまたま低設定とか中間設定が吹いただけかもしれません。
ただこの店からは、なにか「人間臭さ」というか「人情味」みたいなものが感じられることがあるのです。だからこそ、こういう妄想を楽しんでいるのかもしれませんね。
ホールは千差万別なので、同じ傾向のホールは存在しないとは思いますが、僕はこういう無言の駆け引きみたいなのをパチスロの楽しさの一つだと思っていますし、それがもし少しでも勝ちにつながるヒントになるなら、それも無駄なことではないのかなと思います。
特定日にはいつも同じような目立つ場所の台が出るとか、システマチックなやり方をするところもあれば、今回のように人間臭さがあるお店もあります。まずはそこを見分けることができれば、お店の傾向を掴む一助になるかもしれませんね。
そんな無駄な妄想よりも確実に設定が入る店でもっと設定が見えやすい台を狙えというご意見もありそうですが、どうなんでしょうね。僕はこの得体の知れないジャグラーという機械と戯れるのがどうしても好きみたいですね。というわけで今後も妄想をしつつ泣き言を綴ってまいります。