今回は、ボーナスフラグの種類と確率の荒れやすさが関係あるのかについて書いてみたいと思います。
フラグが多いと荒れる?
ネットをみていて少し気になったことがあり、それは
「この機種はボーナスフラグが分かれているから荒れやすい」
という趣旨の内容です。
具体的には
「この機種は小役重複と1枚役をたくさん搭載しているから荒れやすい」
という感じで、フラグが多種類に分類されていると機種そのものが荒くなる、みたいな意味合いでした。
そういった機種の各フラグの確率を見れば1/1000より重かったりするので、たしかに荒れやすい気もしますが、実際にはどうなんでしょうか?
ここで例としてハナビという機種を例に見てみましょう。
ハナビの設定1のBIG確率は1/312.08です(重い!)。
この機種もBIGはBIGでも複数のフラグに細分化されています。
まず赤7BIGとドンBIGの二つに別れていて、それぞれ1/624.15となっています。
そしてそれぞれのBIGには当選契機が複数あり、こんな感じになります。
BIG合算 1/312.08
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ドンBIG 1/624.15 | 七BIG 1/624.15 |
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ハナビを打たない方にとってはなんだこりゃってくらいに分かれていますね。BIGフラグが10種類にも分かれていて、それぞれのフラグの当選率はかなり低めになっています。
たしかに、それぞれのフラグを見ると10000分の1とか20000分の1とか、GOD揃い以上に重たい数値となっています。
レアチェリー重複のドンBIGなんか1/21845なので「こんなのカンタンに引けるわけねぇ」となりますし、引いたら引いたで、「このヒキをAT機とか打ってる時に発揮したかった!」と逆に悔しくなりそうですね。
結論:フラグの種類の多さは関係ない
しかし確率的な考え方でいうと、同じBIGであればフラグの種類が多かろうと少なかろうと全く影響はありません。
その考え方を図で表してみました。
ハナビのBIG確率は1/312.08(設定1)ですが、これは0〜65535までの65536の乱数の中にBIGの当たり乱数が210個存在するという意味になります。
レバーを叩いた瞬間に0〜65535の範囲から一つ乱数が取得され、その値を使って抽選が行われます。
ここで「0〜209ならBIG」という仕様だと仮定すると、取得した乱数の値が「1」であっても、「207」であってもめでたくBIG当選となります。
AT機などで「乱数0を引いたら1/65536フリーズ」という仕様の機械ならばともかく、ノーマルタイプのハナビにおいては、レアな演出を伴うかどうかは別にすれば、0〜209の間のどれを引いたとしても一回のBIGには変わりません。
おそらく誤解の元となっているのは、その210個のBIG乱数が以下のように種類分けされているからだと思います。
ドンBIG 105/65536 |
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七BIG 105/65536 |
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BIGフラグの内訳を図で表すとこんな感じですね。
個別のBIGフラグ、たとえば「レアチェリー重複の七BIG」を今日これから引けるかって聞かれたらそれはもはや予測不可能ですね。
しかし注目すべきは、65536という範囲の中にBIG当選フラグが210個あるという事実です。210個の内訳がどうなっていようともBIGの当たりやすさに影響しません。
BIGの当たりやすさとは、0〜65536の乱数の範囲の中にBIGがどれだけあるか、つまり上の図の水色の帯の中に占める青い帯の幅の太さで決定されます。
極端な話、BIGフラグが210種類の当選契機に分かれていようとも、210/65536という全体的な確率自体は変わらないわけです。
個別のフラグはもちろん荒れる
先ほども書いた通り、個別のフラグに注目すればもちろん荒れに荒れます。
少し個人的な趣味の話になりますが、僕がハナビの中で一番好きなのは特殊リプレイ重複の出目です。

ハナビで一番好きな出目
左上段BAR、右上段氷からの中リール中段にリプレイというこの出目、これがハナビにおける一番美しい出目だと個人的に思っています。
この出目は4号機時代のハナビでは普通のリーチ目で、氷をフォローしているとしれっと止まることがある上に、記憶が曖昧ですが右上段氷からのこの形はBIG確定か超濃厚なので好きでした。しかし5号機ハナビではこの出目は「特殊リプレイ」専用の停止形(RT中以外)となっていて、特殊リプレイを引かない限り絶対に停止しません。
しかし特殊リプレイのフラグはかなり重たいので、一日単位では全く引けないこともあります。
最近、久しぶりにハナビを打つ機会がありました。ハナビは昔好きだった機種でもあり、せっかく打つなら昔懐かしいリーチ目とかを楽しみたいなぁと思い、上の出目を夢見て打ちました。
「特殊リプレイの出目を見たい」
と思いながらずっと打っていたのではっきり記憶しているのですが、1万ゲーム近く打っても特殊リプレイを一度も引けず、当然の結果として憧れの出目も拝めませんでした・・・
しかしBIGは普通に引けていたので、収支という点ではプラスとなりました。
このように、個別のフラグに注目すればブレまくったとしても、BIG全体で見れば確率は1/312は1/312と変わりませんし、あるフラグが確率通りに引けなかった分、別のフラグは確率以上に引けていたかもしれないのです。
凱旋の赤7なんかも似た例ですね。斜めに揃う赤7は1/6554で中段に揃う赤7は1/32768と数倍の差がついていますが、どちらでも赤7には変わりませんし、合算では1/5461となっています。
先ほど書いた考え方で
「12/65536=1/5461の確率で成立する赤7のうちの1/6(2/65536)が中段揃いが選択される」
と考えると誤解は生まれないと思います。
ユニメモのミッション達成とかを目指しているときはめちゃくちゃ大事かもしれませんが、出玉的には違いはありません(^_^)
また1/8192のGOD揃いは小役重複GOD、中段GOD揃い、斜め揃いGODなどとフラグが分かれているわけではないのに、そうカンタンには引けませんよね。それはフラグが分かれているかどうかではなく、単純に当選確率が低いからにすぎません。
なので荒さを考えるときは、フラグの数ではなく、確率分母の大きさに注目するといいでしょう。
確率分母が大きければ収束に向かうまでに時間がかかるので短期的には荒れやすく、確率分母が小さければ小さいほど確率通りの数値に収まる速度も早いと、僕は考えています。
非現実的なたとえですが、1/8192で10000枚出るボーナスを一種類しか搭載していない機種があったら、ボーナスを一度も引けない日は15万負け、二度三度と引けた日は万枚、二万枚というデータになりやすく、それは誰が見ても荒い機種となりますよね(もちろん今の規則では絶対に作れないでしょうが)。そしてジャグラーの高設定が安定しやすく結果的に勝率も高いというのも、この確率分母の小ささによるのでしょうね。